化合物合成

化合物合成

「合成が唯一の武器」強い信念をもつ技術者たちが支える化合物合成の底力

創薬研究プラットフォーム

コア技術

有機合成

創薬研究では、必要な分子を合成するところから始まります。第一三共RDノバーレには、何十年もの経験を積んだ化合物合成のプロフェッショナルが日々合成に励んでいます。

幅広い化合物合成の領域

一言に化合物合成と言っても、創薬プロジェクトの段階や目的によってさまざまです。具体的には、以下のような業務があります。

特許や文献にある化合物の合成

創薬研究において、文献などにある化合物を合成し評価することは、最適な医薬品を仕上げるための情報を得る、重要なステップです。ここでの課題は、文献に記載されている通りの条件で合成を試みても、必ずしも成功するとは限らない、ということです。言語化されていない細かい合成条件を、実験と理論をもとに突き止めることも求められます。そこで必要なのは、これまで培ってきた経験と知識。第一三共RDノバーレの技術力の高さがうかがえる瞬間です。

自社探索研究化合物の中間体や誘導体の合成

自社グループで探索している新薬候補化合物や、その中間体を合成し、創薬プロセスを着実に進めていきます。依頼されたものを作るだけでなく、活性や物性を見ながら、より性能の高い誘導体の合成にチャレンジします。

大量合成

安全性試験や薬効試験では大量の化合物を必要とするため、100gから1kgスケールで合成します。探索段階でのmg単位の合成からスケールアップするときには、反応が想定通りに進まない場合があるため、反応条件の再検討が必要になります。また、このスケールレベルの合成になると、例えば精製時には静電気による有機溶媒への引火などを考慮する必要があり、mg単位の合成とは異なる設備や安全対策、ノウハウが求められます。

ケミカルバイオロジー

合成した化合物を使って、実際に細胞内のどのタンパク質に作用してどのような効果をもたらすのか、作用機序の解明にも取り組んでいます。薬効を示す化合物にレポーター分子を結合させて、標的分子との複合体をビジュアライズするのも合成化学の領域です。

一つの部所で完結する化合物合成フロー

第一三共RDノバーレの化合物合成の強みは、一つの部所でさまざまな化合物を合成できることです。化合物と一言に言っても、低分子化合物だけでなく、ペプチド化合物、核酸関連化合物、糖鎖関連化合物も扱っています。また、mg単位で行っていた合成を、kg単位の合成にスケールアップすることも同一部所内でおこないます。そのため、社員同士で意見交換がしやすく、スムーズに合成プロセスが進みます。つまり、ニーズに対してスピード感をもってフレキシブルに対応できるのです。

これができるのは、第一三共RDノバーレに合成のプロフェッショナルが集まっているからです。どのような人たちが合成に取り組んでいるのかについては、ぜひ冒頭の映像をご覧ください。

個人のスキルと組織の実力

日々合成に励むのは、長年の経験と知識からスキルを磨き上げ、強い信念をもっている技術者たち。映像の中で「合成が唯一の武器」「課題を一個一個クリアするのが腕の見せ所」と発言しているように、各自がそれぞれの誇りをもっています。

しかし、だからといって独りよがりになることなく、チーム内で情報共有することで組織全体の技術力を高めるようにしています。例えば、進捗報告会を定期的に開き、成功事例や現在の課題を共有し、お互いにアドバイスしています。アドバイスは会議中だけでなく、実験室での気軽な会話の中で行われることもあります。

組織をまとめるグループ長も、個人の力を活かしつつ、組織としての実力が伸びるように意識しています。「高品質な目的化合物をタイムリーに必要量合成することにより創薬に貢献する」という共通の目標を掲げながらも、合成方法は個人に任せ、自由に取り組めるような環境や意識作りをしています。丸岡グループ長は、「組織として属人的なところはなくすべきですが、個人の実力は非常に高いものがあります。個人の能力をもとに、組織全体の底力を引き上げたいと考えています」と話します。

さらなる合成技術力のアップを目指して

組織全体の技術力を今後さらに向上させるために、ゆくゆくは合成の機械化も検討する時期が来るだろうと、藤沢グループ長は考えています。「反応の多様性、コントロールするファクターが多いことから自動化が最も進めにくい領域なのは確かです。しかし、方法論が確立したベーシックな合成は機械に任せ、人間が解決すべき複雑な課題に取り組む時間を増やすことができればパフォーマンスは向上し、創薬プロセスはさらに加速すると思います」(藤沢グループ長)

当然、最新技術を取り入れることも重要です。しかし、最新なら何でも良いというわけではなく、「使える技術かどうかの見極めも大事」と丸岡グループ長は言います。

個人と組織の高い技術力を武器に、創薬プロジェクトを推進するテクノロジーのひとつが合成化学なのです。

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